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大型小売チェーンKOHL’Sの デジタル小売投資戦略 【ニューヨーク視察:NRF Retail’s BIG SHOW2017】


カテゴリー: 小売・EC企業の戦略・事例

以前の記事からご紹介したデジタル時代に求められる小売業の変革。その一端をご紹介しましょう。(BONOBOSが行う店員へのデジタル武装戦略」はこちら

小売でチェーン展開をしているような規模の企業であれば、どういう分野に、いつどのくらいどの技術に投資すべきか、社内のIT部門はどうあるべきかなど、規模が大きくなればなるほど複雑化してきます。そこで、米国のkohls社(1,000店舗以上展開し、リーズナブルな価格が魅力のアパレルやインテリアなどを扱うデパート)の講演から「どのようにデジタル小売投資戦略を考えるのか」をご紹介しましょう。

シリコンバレーのすぐ近くにあるカリフォルニアに拠点を置くkohls社のIT組織には、250人ものテクノロジースタッフがいます。そんなkohls社では、特にパーソナライゼーションに力を入れており、一番大切にしているコンテンツにおいては、商品の説明文や写真などをどんどんリッチなものにしているのはもちろん、顧客毎のデータに合わせてWEBのトップページが変わるなど、パーソナライゼーションの分野で注目を集める会社です。

 

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しかしそんな取り組みがすぐに成果を産んでいる訳ではなく、2016年クリスマスの売上はあまり良くありませんでした。しかし彼らはそれを悲観していません。なぜなら、いま取り組んでいるデジタル戦略は短期で成果の出るものではないと考えているためで、戦略も短期と長期で分けて考えています。そして、テクノロジーを使って変化していくことは間違いなく正しいと考えているためです。

彼らは、テクノロジーを企業が利用する上で忘れてはいけないこととして、その技術や必要性・メリットを社内でしっかりと共通認識として持つことが重要だと言います。デジタル技術への投資額のリターン(ROI)をどう測るのかは重要で非常に難しいことですが、短期と長期に分けて投資とROIを考え、そのメリットや理由を社内で共有しているのです。

例えばkohls社では、商品や顧客データなど全ての社内情報のクラウド化を薦めています。これは短期で考えればROIは非常に悪いのですが、長期で考えればどうしても必要な投資です。その必要性をしっかりと社内で共有していることが、その先の大きな戦略のために大切なのです。逆にデジタル決済のシステムへの投資は短期でROIが見込めると考えています。

他にもマネキンの代わりにデジタルサイネージを利用することや、来店客をアプリと店内Wi-fiを利用してナビゲーションすること、セルフチェックアウトや先にも紹介したパーソナライゼーションなど、様々なことをROIを考えながらテストしています。

 

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また、kohls社がよく聞かれるのがAmazon GOの存在を意識しているかという事です。彼らは、アマゾンがやっているからkohls社もやるという事は考えていません。あくまでも顧客にとって良いものが何かを考えて戦略を立案しています。例えば顧客がアプリを使って店舗から商品を出荷できるようにしたり、従来からあったレシートや会員カードをアプリに組み込むことで顧客の購入ステップを減らし、店員も楽になりました。

他にもアンドロイドやアップルペイが話題を集めていますが、自社で専用の決済システムを作ったほうが顧客にとっては楽になると考えて、コールズペイという独自の会員限定の決済システムも作っています。アップペイなどの外部の決済を使うよりもより買い物の簡単さを会員に提供できると考えているのです。

このように、デジタルで実現できることは沢山ある中、他社がやっているから真似をしようとするのでは、ROIを見誤る可能性があります。自社の戦略にとってどのような投資が必要なのかをしっかりと見極めることが重要です。

 

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