(株)いつも.のECコンサルタントが米国ニューヨーク・シカゴから最新EC・オムニチャネル情報をお届け

オムニチャネルマガジン

powered by いつも.

BONOBOSが行う店員へのデジタル武装戦略 【ニューヨーク視察:NRF Retail’s BIG SHOW2017】


カテゴリー: 小売・EC企業の戦略・事例

前回の記事でご紹介したデジタル時代に求められる小売業の変革。その一端をご紹介しましょう。BONOBOS(メンズアパレル)がNRFのセミナーに登壇しました。彼らは店舗とECを連動させたオムニチャネル対応のシステムを導入しており、どうしたらもっとお客様の満足度を上げられるかを常に模索していると言います。そして、そのためには来店時のお客様の要望を細かく把握できれば、より良い接客ができると考えています。

来店したお客様の年齢や性別はどうか、どんな商品が欲しいのか、何を悩んでいるのかなど、接客を担当する店員がタブレットを通して顧客情報や購入履歴等を元に接客を行います。彼らはなぜそこまで徹底するのでしょうか。

 

IMG_0178

 

BONOBOSの理念は「買い物の苦痛を減らしたい」です。そのためには顧客体験が一番と考え、実店舗を「ガイドショップ」と呼び、ブランドを体験する場所として定義しています。すべての商品が店舗にあり、予め予約をしておけば待たずに希望する商品の試着を行うことができます。店舗には在庫を置かず商品の購入は試着の後ECで行うのが特徴で、顧客のストレスを可能な限り排除した新しい買い物「体験」を実店舗を通して提供しています。

ところが、順調に売上を伸ばしてきた同社は、商品が増えたことで接客がうまく機能しないようになってきました。多くなった一つ一つの商品知識と顧客情報を店員側で拾いきれず、顧客に不満を与えてしまったのです。そこで彼らはタブレットを利用したモバイルPOSなどのテクノロジーを利用しました。

それまでは、店舗にPCを置いていましたが、何か調べ物をする度に顧客から離れて作業を行うため、顧客から見れば家で自分のPCを使って調べ物をしているのと変わらず、顧客は不満を感じます。それがタブレットに変わることで、店員はお客様情報 、購入履歴、サイズ、お気に入りのスタイル、 ウェブサイト訪問履歴 、来店履歴 、アプリ利用履歴などを一括で表示できるようになったため、店員は顧客専門のスタイリストのようにスムーズに商品をオススメすることができるようになったのです。これが、BONOBOSが提供し始めた新たな買い物体験です。

 

Bonobos

 

顧客データを統合することで、お客様との電話のやりとりなどの状況も一元管理できるようになっており、リアルタイムでの個別接客から、顧客は家では体験できない接客対応に満足感を感じたのです。また、このタブレットを通して商品を購入することで売上が店員につき、店員へのモチベーションにも繋がりました。結果、効果は抜群で、顧客満足・店員満足もあがり、売り上げも上がったのです。

このように、人にデジタル投資を行い、顧客の満足度を向上して売上を上げる考えがあるその一方で、Amazon Goに代表される人を一切介さず、商品の購入から決済までを行う流れも注目されています。人の採用と教育コスト、人件費を一切かけずにITと人工知能に投資することで利益率を高めるという流れが生まれているのも必然と言えるでしょう。実店舗をBONOBOSのように人を介してデジタルと融合し、「買い物の苦痛を徹底的に減らす」のか、Amazonのように最先端のデジタルを駆使して、人すらも排除して徹底的な引き算で圧倒的な利便性を提供するのか、扱う商品や方針によって同じ引き算の考え方でも大きく違う体験の提供が米国では始まっています

 

・ECに関する経営や売り上げアップのご相談は株式会社いつも.にお気軽にお問合せください。

「オムニチャネルに興味はあるけど…」

株式会社いつも.では、小売業やEC事業者の方に、オムチャネルに取り組むにあたっての疑問・相談へのアドバイスを行っています。お気軽にフォームからお問い合わせください。

相談フォーム

page top